Ubuntu 18.04/20.04: フリーズ/クラッシュ問題対応(作業記録)解決済み

会社で購入したデスクトップPCにUbuntu 18.04 LTSとUbuntu 20.04 LTSをインストールしてみたところ、いくつか深刻な不具合に遭遇しました。一部は解決し、一部は未解決です。情報共有のため作業メモを残します。

マシンは@Sycomという会社から購入しました。省スペースPCというカテゴリのものです。すでに複数回ここから買っていて、これまで大きな問題はありませんでした。

問題は5点あります。

  1. フリーズする。タイミングはいろいろ。ログイン画面で起こったり、しばらく使ってから起こったりする。
  2. クラッシュする。突然、スクリーンが真っ黒になりPCが再起動する。
  3. クラッシュする。黒い画面に切り替わり、「Kernel panic」などのメッセージを表示して停止する。
  4. モニターを2台接続しても一方が認識されない。
  5. ディスプレイポートとDVI端子で接続したモニターの解像度を変更できない。

やったこと

amd-disable-c6 を導入

Ubuntu 18.04を Ryzenで使用時に定期的にフリーズする。という記事を見て、やってみました。効果なし。

スワップファイルのサイズを16GBに増やす

Ask ubuntuに投稿されたUbuntu 20.04 LTS freezing about every 10-15 secondsという質問への回答を見て実施。効果あり。問題1と2が解消された模様。

【追記】その後、問題2が解消されていないことが判明。

ただし、Ubuntu 20.04 LTSで新たに問題3が発生するようになりました。

Linuxカーネルを最新の5.8系にアップグレード

Ubuntu Linuxのカーネルをaptでアップグレードするを見て実施。効果あり。問題4と問題5が解消されました。問題3はPCを一晩放置した結果発生したので、効果のほどはまだわかりません。

アップグレード前のLinuxカーネルは5.4系でした。Linux 5.8は約3ヶ月前(2020年8月5日)にリリースされたばかりのもの。

マシンスペック

Kernel panicが発生したときのメッセージに「x300m-stx」という文字があったので調べてみると、ASRock DeskMini X300M-STXはつい最近(2020年10月)発売されたばかりものでした。Linuxカーネルをアップグレードして問題が解消された事実と整合します。

追記1 (2020-10-26)

Ubuntu 20.04がインストールされている別のマシンも若干調子が悪い(ときどきウィンドウ内が再描画されなくなって、黒い部分が残る)ので、Linuxカーネルを最新の5.8系(5.8.0.23)にアップグレードしてみたところ、接続している3台のモニター(HDMI接続2、DisplayPort接続1)のうちDisplayPort接続のモニターしか映らなくなるという問題が発生しました。現在は、Linuxカーネルを5.4系に戻しています。

真新しいLinuxカーネルにアップグレードするのには、それなりのリスクが伴うようです。

「別のマシン」のスペックは以下の通り:

追記2 (2020-10-26)

実際に運用してみたところ、Ubuntu 18.04でもUbuntu 20.04でも問題2(使用中に突然クラッシュして再起動)が解消されていないことが判明しました。

追記3 (2020-10-26)

Ubuntu 20.04 の Kernel を 5.9.1 にアップグレードしてみましたが、効果なし。

追記4 (2020-10-26)

https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=245608 の情報に基づき、以下の設定変更をしました。

  • sudo vim /etc/default/grubGRUB の設定ファイルを開き、GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTprocessor.max_cstate=1 を追加。
  • sudo update-grub コマンドを実行して、再起動。

ログイン後すぐにクラッシュする現象は解消された模様。現在、様子見。2時間ほど使ってみましたが、フリーズもクラッシュも起きていません。ついにやったか…。

追記5 (2020-10-27)

昨日の半日使用でフリーズもクラッシュも発生しませんでした。解決済みと判断します。

追記6 (2020-10-28)

不思議なことに同じハードウェア構成の2台のPCのうち、片方は追記5までの対策(ただし、amd-disable-c6を除く)をしても問題は解決しませんでした。ログインから1分も経たないうちにクラッシュして再起動が始まってしまいます。

そこで、ブート時にキーボードからF2を押してUEFI設定画面を開き、CPU関連の設定でEnable/Disableを切り替えられるものをすべてDisableにしてみたところ、安定して動くようになりました。

また暇のあるときに、ひとつひとつEnableしてどの設定が問題を引き起こしているのかを特定したいと思います。

追記7 (2020-10-28)

どうやら、UEFI設定画面のCPU Configurationにある、PSS SupportをDisableにすれば安定するようです。

調べたところ、これはACPI(電源管理に関する規格)に関連する設定項目でした。

追記4でGRUBの設定に追加した processor.max_cstate=1 も省電力に関するものでした。電源関係が弱点なのでしょうかね。